演歌酒

ひとり飲んでる酒場の酒も
俺にゃ演歌があればいい
どうせ私は浮草ぐらし
涙つまらせ唄ってた
酔えばあいつを思いだす
雨の夜更けの演歌酒

ふたり肩よせ飲んでる夜が
俺もおまえも幸わせと
酔えば津軽の望郷演歌
俺が唄えば目を伏せて
雪にまみれて咲く花を
思いだしてか泣いていた

根なし草にはさせたくないと
俺はその気でいたものを
どうせ私は浮草ぐらし
消えたあいつのあの唄が
ひとり手酌のこの胸を
ゆする夜更けの演歌酒
×