往生際

煎りつくような騒音に
目を閉じて 耳を澄まして
すこし暑くなってきた
部屋の窓開けて

酷いことは起きない
日々はただ 過ぎていくだけで
暮らしの中にはきっと
山も谷も無く

さよならはいつも音もしないまま
何を失くしたか気づくこともできず

17時の鐘がなった
暗い方が都合がいいな
会話を交わせば、ほら
忘れないで ここが世界だよ

さよならはいつも音もしないまま
約束せずともだんだん忘れていって
神様はいつも何もしないまま
それならあなたは神様じゃないんだ
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