TRAINとRAIN

ある日僕は生まれた
心のままに過ごしていた
他のみんなとは少し違って
ちょっとクセがあって

突拍子もない事をしたりして
みんなを驚かせたり
笑わせたりするのが
好きだった

ある日ママが力強く
背中を押してくれたんだ
あったかい手
大きな温もり
忘れないよ今も

そして長く長くて
どこまでも真っ直ぐな線が引かれたんだ
僕は進み始めた
ドキドキとワクワクを鳴らしながら

今思えばもっと自由に
色んな線を自分で引いて
近道や回り道も
出来ただろうけど

なぜだか初めからあった
真っ直ぐな線を進む事しか
出来なかったんだ だから
色んなものが ぶつかって来た
それでも 振り返りはしなかった

雨なのか何なのか分からないけど
少し笑って見えた
噛み付いたり 裏切られたり
絶望も希望もあって
でも僕のカラダは鉄づくり
何があったってひしゃげるものか
今までも これからも
いつか走れなくなっても
変わらない一つの事
僕は電車

気付けば遠くまで来てた
特別過ぎるスピードで
広く浅い宇宙を
少しでも深く深く潜ろうとしてた

それはあの真っ直ぐな線を
ただ進み続けてるだけの事で
とても自然な事だった

でもそうする事は はみ出し者
と言われ いけない事みたいで
前へ習え 右向け右で

お利口さんじゃないと
ダメみたい だから僕は気付かないうちに
スピードを ゆるめてた
そこから色んなものが見えて来たんだ
真っ直ぐな線の上に

雨なのか何なのか分からないけど
少し笑って見えた
傷付けたり 無視されたり
とてもキレイではないけど
でも僕のカラダは鉄づくり
何があったってひしゃげるものか
今までも これからも
いつか走れなくなっても
どこまでも連れてくよ

雨の日は僕の中で 揺られててよ
楽しかった初めの線へ
歌い続けるよ ありがとう

これからは僕自身が敷いたレールを走ろう
今までも これからも
いつか走れなくなるその日まで変わらない
僕は電車
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