小雪しんしん孔雀町

私は真赤な櫛をさし
風呂敷づつみを一つ持ち
きれいな名前のこの町へ
涙を一粒つれて来た
小雪しんしん孔雀町

窓からつき出た風車
いつしかすっかり色あせて
この世を思うも思わぬも
ただただ真冬の風まかせ
小雪しんしん孔雀町

あんたも女になったなら
爪切る音にも気をつかう
そういう女が皮をむく
みかんの匂いがたちこめる
小雪しんしん孔雀町

年上 花江の吸う煙草
私は風邪ひき 咳が出る
煙がにがいか 煙たいか
それとも寒いか さびしいか
小雪しんしん孔雀町
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