ある日印象派

ひとり頬づえついて想う
季節が過ぎたあとの淋しさを
窓の外には光る海が
愛の欠片(かけら)うかべ ひろがる
二十才(はたち)過ぎて黙り込み
さよならを云うことが多くなり
まだあなたのことを少し
愛しているような 揺れるこころ

何か忘れていないですか
大事なものを置いて来たでしょう
好きと云われた笑い顔を
過去の愛の中に落した
誰も彼も行き過ぎて
背中だけ想い出すことばかり
風吹くたび色が変る
女であることを 想う海よ
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