Empty Doll

歌うために生み出されたドール
ヘタクソだと笑われてました
それでも人々に聴いて欲しくて
鏡の前で練習します

「カンペキな感情表現、神様みたいでしょ?」
聞こえてくるのはマボロシの拍手
観客の笑顔 ぎこちなくて
鏡に映った僕と 同じ顔だ

100万回歌ってみても
1ミリぽっち通じない
誰でも知ってるメロディーなのに
ひとりぼっち惨めに 叫んでるだけなの?
100万回なぞってみても
1ミリだって変わらない
それでも歌い続けてるワケは
いつのまにか忘れて 思い出せないな
心の景色は滲んだまま

それでもドールの不器用な声は
人の心 惹きつけました
後ろでそっと見守る視線に
けれど彼は 気づかないのです

『真面目な奴に限って、けっきょく無個性で』
届いているのはネガティブな言葉
それでも歌い続ける訳は、
鏡に映ったキミの 視線があったからだ

ずっと見ないフリしてた溢れ出す感情
一つも消えずに繋がっていくんだ
ボクらが変わらずこの瞬間(とき)を好きでいる限り

1回目に歌ったことは
今じゃ覚えてないけれど
何でボクが生み出されたのかを
キミの瞳 見たら思い出したよ

100万回歌ってみても
1ミリだって分からない
それでも知ってるメロディーならば
新しい物語 カラフルに変わる
この先きっと無限大に、ボクの代わりも出てくるだろう
それでもたった 一人のボクだよ
キミがいつも隣で見守ってくれる
心に響いたリアルな拍手

歌うために生き続けるドール
鏡の前で、練習します。
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