無題

思考が海に沈んでいく
落ちていく水滴を止めたくて
必死に君の砂時計を
落ちないように 手で受け止めた

きっとこれは 悲しみじゃなかった
悲しんでは いけなかった

消えていく この日々が
手の中の光じゃ 叶わない
あなたの声ももう
思い出せなくなる

季節は何の変哲もなく
いつものように私を置いていく
風邪をひかないように
私は着る服を変えて

写真を見て思い出した日々が
反芻する何度も

落ちていく この日々が
手の中の光じゃ 叶わない
私の味方が
また一人何処かへ 消えてしまう

落ちていく砂時計
私の声は 届かない
あなたの声ももう
思い出せなくなる
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