真夜中の散歩

紫の霧の中 けだるげに街は眠る
しめった髪の毛の 重さが哀しい
あてもなく どこかへ行きたいの
ヒール鳴らして
ひとはみな 気ままな女とうらやむけれど
帰り道をなくした 子猫とおなじよ
あの人の部屋には
もう見知らぬ 誰かがいる
どうぞ私に かまわないで
ただ真夜中の散歩と しゃれてるだけ

泣きながらこの道を 裸足で駆けた日もある
背中に追いついた やさしい足音
抱きとめた両手のぬくもりも
思い出せる
歩いても歩いても あの頃には出会えない
ただ私ひとりが 大人になるだけ
立ちどまり後をふり向いても
にじんだ闇
そうよ 自由をもて余し
ただ真夜中の散歩と しゃれてるだけ

紫の霧の中 けだるげに街は眠る
しめった髪の毛の 重さが哀しい
あてもなく どこかへ行きたいの
ヒール鳴らして
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