ツバメ

数えきれない渡りの中で
記憶に残るヒトは
私の青い体を抜けた後ろの
寒空を見ているのだよ

おぼろげな姿傾け
消えていく灯を受け止めた
清然とした瞳の色だ 白い花のようなんだ
曇り空ならこの羽ゆるめて
低空飛行 無邪気に飛ぶよ

あなたが許してきたものを
束の間の空 話してください
私はあなたの記憶の断片を
運んでいくのさ
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