サンセットベンチ

左腕が温かくて 顔向ければ君の髪の毛が
風にのって優しく僕の頬くすぐっている
ふわり ふわり ふわり

君が横ではしゃぎすぎるから
こぼしてしまった缶コーヒーも
熱を持って僕の手の中におさまったまま
何か言いたそうにしている

いつまでも ずっといつまでも
こんな風に僕の横にいて欲しいと
言葉探すのに
君が笑いかける度に 呑み込んでしまう
君は綺麗だ

「あなたが好きなこのラベンダー色の
スカートを今日もはいて来たの」
そう言って端の方を掴んでなびかせている
ひらり ひらり ひらり

君が動く度に感じていた
甘い香りが僕の胸に沁みるから
今すぐ抱きしめて言いたくなる
理由(わけ)も言わずただ君に

愛してる ずっと愛してる
どうしようもない愛しさが溢れてくる
「すごく似合うよ」と
代わりに出てきた言葉に
君は笑って
僕に隠れた

はにかんだ口元もふてくされた横顔も
子どものようにケタケタ笑うその声も
ここで見ていたいから
君が君でいられるように僕が守るよ
またここに来ようか

いつまでも ずっといつまでも
こんな風に僕の横にいて欲しいと
この言葉の先
頷きながら少し泣いた
君の肩を抱き寄せる
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