展望録

ヴァイナル盤にそっと針を落とすのは
呼び起こしたいと思うからだろう
記憶という波が空気を揺らしてく
刻まれた溝を辿りながら

気づけば、片面が終わり
音楽は立ち止まる

回り続けてるターンテーブルはまるで
針たちの落ちた時計みたいだ

盤を裏返してやっと気付いたんだ
回想録の裏に溝はないと
落とすべき針は自分という指針
何もない場所で探しながら

思えば音楽はいつも
ここから聴こえてた

感情の起伏を 鼓動の昂りを掴んで
響いてくるのは 胸に刻んできた展望録

さぁ、音を鳴らせ 自分を示せ
たった一枚の価値を示せ
さぁ、音を鳴らせ 自分を示せ
たった一枚の意思を示せ
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