瞬きもせずに

瞬きもできないほど儚く 通り過ぎてく日々を、
僕らは光の中に閉じ込めた。そんな気がした。

何か描こうとして 何も描けなかった。
真っ白で、でもどこか透明な白色。

何も描けなくても 何か描こうとした。
色褪せることのない青春グラフィティ。

靄がかる朝霧の中、地図にない場所 目指した。
ありふれた毎日が嫌いだった。

瞬きもできないほど儚く 通り過ぎてく日々を、
僕らは光の中に閉じ込めた。

青春が今終わりを告げても 後悔なんてないよ。
そう、そして君はくちびるを噛んだ。
木漏れ日の中。

懐かしさにも似た 落ち葉焚きの匂い。
夕闇が迫る町、冬を探していた。

誰にも言いたくはない 過去なんて僕にもある。
君だけじゃないから大丈夫だよ。

星灯り 見上げた夜空の中、白い息が消えてく。
吸い込まれそうな冬のまたたき。

透き通る まるでビー玉みたい。不器用な眼差し。
そう、そして君は少し微笑んだ。
そんな気がした。

瞬きもできないほど儚く 通り過ぎてく日々を、
僕らは光の中に閉じ込めた。

青春が今終わりを告げても 後悔なんてないよ。
そう、そして君はくちびるを噛んだ。
木漏れ日の中。
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