Lantana

赤い花を掌に乗せて
笑っていたけれど
もう見えなくなってしまった

最後に降った
雨の日のことも
もう思い出せはしない
昔 聞いたおとぎ話みたいに

物語は進む
七色のその縁に
指を掛け揺られ
数える 遠い背中

影は伸びてゆく
ともし火さえ染めて
剥がれた距離の先に
懐かしいあなたを見た


さようなら
私の大切なものたち
さようなら
私の大好きなものたち ぜんぶ
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