6月の窓

撫でるように通り過ぎてゆく影 数える
窓の外を遠い景色が 流れてゆく

明かりをつけたまま 朝を待つ夜に
網戸越しに鳴いている 誰かの声

あの人の見ていた 景色を探す
ほんとうのことは…?

嬉しいも悲しいも 怖いことも可笑しいも
全部 ガラスの瓶の中のこと

失いながら 進み変わってゆく
私のこの身体と 雲のかたち

言葉を知るたびに 色づいてしまう
ほんとうのことは…?

息を止めて潜る 明け方の空
こだまの中 今 泳ぎ進む
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