百鬼夜行

夜になるたびに思考は広がってく
価値の無い不安が部屋に漂ってる
列を成すならず者が煩悩を抱えては
ひとりずつそいつらを丁寧に運んでくる

跋扈する魑魅と魍魎に気を取られて
無我夢中 これが夢なら良かったのにな
百を越す 山積みにされた悩みの種
ひとつずつ 頬張れば朝を迎えてしまうのだろう

覚めないでいる 現の夢よ
夜の帳を下ろさないで
明けないような夜などないと
嘯いたあの人に伝えて
ほら 夜な夜な 百鬼夜行

八百万にも見放されてしまったか
行きも帰りも 通りゃんせ 怖かったよ
勝っても虚しいだけの花一匁と
ひとりぼっち 呆けた顔で童の様に歌を歌って

癒えないでいる 重ねた傷よ
忘れたはずが疼きだした
晴れないような霧など無いと
嘯いたあの人に伝えて
ほら 夜な夜な 百鬼夜行

揺らめいたのは酩酊して見た
世界ではなくて窓越しの朝焼け

覚めないでいる 現の夢よ
夜の帳を下ろさないで
明けないような夜はなくとも
心は蝕まれ 陽は沈む
ほら 夜な夜な 百鬼夜行
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