家路

窓の外からビルが消えて 少しずつ空が広くなってく
久しぶりに今日は実家に帰る 土産になるような話はないけど

母は今ごろ台所
どうせ食べきれないほどの ご飯作って待っているんだ

慌ただしい日々で忘れたものが何かを考えながら
風の中揺れる緑を 僕はただただ眺めている

窓の外では赤い夕日が すべてを懐かしい色にぼんやり染めてる

父は今ごろテレビの前
どうせいつものあの姿勢で ソファの上で待っているんだ

慌ただしい日々で忘れたものが何かを考えながら
ひとつだけはぐれた雲を 僕はただただ眺めている

慌ただしい日々で忘れたものが何かもわからないまま
音もなく滲む景色を 僕はただただ眺めている
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