ほろり酒

夜風が沁みる 路地裏の
灯(あか)りが誘う 縄のれん
今でも気になる おまえのことが
その横顔が…
酔えば切ない 恋の味
北の… 北の酒場の ひとり酒

あの時俺に 少しでも
優しい気持ちが あったなら
ふたりは離れず またあの部屋で
暮らせたものを…
おまえすまぬと 今夜また
北の… 北の酒場で 詫びる酒

漁火揺れる 港町
思いが灯(とも)る 裏通り
今更あわせる 顔などないが
逢いたさつのる…
何故かおまえが 恋しくて
北の… 北の酒場の ほろり酒
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