古城

松風騒ぐ 丘の上
古城よ独(ひと)り 何偲(しの)ぶ
栄華(えいが)の夢を 胸に追い
ああ 仰げば佗(わび)し 天守閣

崩れしままの 石垣に
哀れを誘う 病葉(わくらば)や
矢弾(やだま)のあとの ここかしこ
あゝ 往古(むかし)を語る 大手門

甍(いらか)は青く 苔(こけ)むして
古城よ独り 何偲(しの)ぶ
たたずみおれば 身にしみて
あぁ 空行(そらゆ)く雁(かり)の 声悲し
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