御蔵島唄

帰ってくるなと 手を振れば
可愛い我が子の 船が出る
春の御蔵は 花と影
ニオイエビネの 香り立つ

島を離れた 若者も
稲根(いなね)の祭りにや 戻る浜
夏の御蔵は 練り神輿
惚れた女御を 見せに来い

オオジィ巣立つは カツオドリ
イルカの群れには 小さな子
秋の御蔵は 乙女袖
数え15の 祝い酒

西風(にし)のてっぱつ 吹き荒れて
忌の日の明神 降りてくる
冬の御蔵は 宝船
村中総出で ツゲを切る

春夏秋冬(しゅんかしゅうとう) 御蔵島
千年先まで 夢を見る
×