Bird Watching

音沈め
吐息呑まれ
煙歪み
光朽ちて
ただ黒く
それは脆く
それは鈍く
それは弱く

タールみたいなパールみたいな
瞳に僕らも黒く染まり
かすかに密かにじわじわじわじわ
さらにおごそかに粛々粛々
あの連中が思い出す頃
つまりはかっての王様の事
つまりは轟いた亡君の声
つまりは古代の竜たちの故事
やがていつの日か知ることなのさ
僕のささやかな存在理由
誰しもいつかは煙・土・食い物
それは哀しくて美しくて恐ろしくて
連中の声は僕の耳壊して
連中の口が僕の瞳潰して
連中の爪で僕引き裂かれて
連中の群に僕飲み込まれて

月隠し
墨の如き
黒き毒は
顔を消して

Why Do Birds Attack? 嗚呼
Why Do Birds Attack? 嗚呼
Why Do Birds Attack? 嗚呼

ヒッチコックが言ったのさ
あっちこっちに僕ら逃げ惑い
スウィッチバックで悪夢に向かって
キックバックでリアルを知るのさ
聞く耳ねえ 言葉もねえ
逃げ場もそれほどあるわけねえ
理由もねえ 意味すらねえ
raison d'etre 何もんだ

ただ黒く
それは脆く
それは鈍く
それは弱く

Why Do Birds Attack? 嗚呼
Why Do Birds Attack? 嗚呼
Why Do Birds Attack? 嗚呼

ただただ
しずかに
しずかに
しずかに……
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