丘の上のホスピス

始まりはバス停
手持ち無沙汰にバスを待つ
ふと顔上げて僕の眼差しに
君が気づいたその時

美しい季節は
雲一つなく過ぎて行き
今独りきり児童公園の
木漏れ日に背を温めて

君は煌々の思い出残し
僕の心に住処を変える
人はそれぞれの役割を終えて
永く静かな時を迎える

丘の上のホスピス
天使のような束ね髪
涙混じりの君の微笑みに
僕は悟ったあの時

生きることの意味は
君が教えたその意味は
誰かの胸に消えることのない
愛の灯を灯し得たか

君は溌剌の思い出残し
僕の心に生き続けてる
人はそれぞれの約束を果たし
晴れて久遠の時に旅立つ

君は煌々の思い出残し
僕の心に住処を変える
人はそれぞれの役割を終えて
長く静かな時を迎える
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