砂の城

荒れ果てていた街の隅で
ずっと鳥籠のなか
ふしだらで臆病なだけで

いつもいつも同じ香気(かおり)嗅いで
羽ばたくことも思い出せなくなったふたり

あのまま小鳥のまま
死ねたら幸せだった?

綺麗に見えたネオンの都会が
だんだんと濁って
星や華と違って空虚で
残された秒刻(とき)も足早に

抱かれていた肌の火照り
まだ阿片窟の夜
どんなに惹かれあっていたの?

過ぎ去った後
狂うように望んでも
脆く崩れた

儚き
Castle made of sand

残った夢は干涸び
ささくれだったわ
ほんの少しは未来を変えてみたかった

往にし方(いにしえ)の情事だもの
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