言葉はいらない

やっぱりもう言葉はいらないよ 瞳に映る僕を

「私のどこが好きなの?」って君が急に聞くから
「言葉に出来る感情なんて取るに足らない」とうそぶいたけど

実際君の好きな所は 上手く言葉に出来ないな
笑いのツボが似てるなんて 君は納得しないだろうし

だけどはじめて会った日から 何一つ変わらないことも
変わりゆくこともひっくるめて愛おしいんだ

そばにいてくれたら ふたり笑えるなら それ以上何もいらない
明日(あす)の事もわからないような こんな時代の真ん中で
砂に書いた文字も 熱く甘い台詞も いつかは消えてしまうなら
やっぱりもう言葉はいらないよ 瞳に映る僕を 信じていて

何気なく繋いだ手と手を ぎゅっと強く握って
少しだけ不満そうな君に僕の 気持ちをそっと伝えてみるよ

そんなやけに子供じみた テレパシーみたいな戯れも
君には何か伝わるような気がするんだ

そばにいてくれたら ふたり笑えるなら それ以上何もいらない
親指だけで傷つけ合う 冷めた世界の片隅で
君が僕の手を強く握り返して 何にも言わずに笑ったら
やっぱりもう言葉はいらないよ 胸に誓おう 君をもう離さない

きっとバベルの街で ふたり出会っていても
僕らは恋に落ちただろう
ほらいつだって 心と心が繋がれば
愛は育ってゆく

そばにいてくれたら ふたり笑えるなら それ以上何もいらない
避けられないさよならが ふたりを分かつその日まで

願いかけた星も 春風の香りも いつかは消えてしまうなら
やっぱりもう言葉はいらないよ 胸に誓おう 君をもう離さない
瞳に映る僕を 信じていて
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