胎内回帰

温かいものか冷たいものか
分からないほどに 伝うものは黒い
話がしたい むきだしの心
裏打ちなどないお前のその心

壁紙を剥がす時
思い出すあの日々
無意味に開けた穴に
まろやかなミルクを注ぎ込むように

胎内回帰
帰れない僕らの祈り
胎内回帰
歓びも嘆きも朧げな記憶の中

新しい声が切れ切れになる
グロテスクな世界に怯えてしまう
少年少女が集まる場所で
晒された素肌や純白さが怖い

たてがみを生やすように
何もかも変わってゆく
ひび割れた小窓から
色づいたレンズで覗き込むように

胎内回帰
悲しみの丘を降って
胎内回帰
この星の終わりを決めるのは僕らじゃない

歓びも嘆きも朧げな記憶の中
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