夜が降り止む前に

止まらない闇に
泡に芽吹く花が
空に埋もれ消える

月が輝く塔に今
君の面影を知る

胸に住む確信が
波を呼び
言葉に酔う

何一つ無駄じゃなかった
今言わなくちゃ
涙を合図に

届けに行くんだ
濡れすぎた夜空が
僕らに呼吸を許さなかった

足宛き歩いた
満たされた光に
一度きりの言い訳を
夜が降り止む前に

止まらない闇に
あなたの輪郭を
遠く鳴る海が奪い去る

胸が照らすその場所には
知りたい言葉がある

あなたにはわからないわ
何一つ聞こえないや

「今まで」と「これから」は
かき乱した夜に消えていけ

届けに行くんだ
喚き出す夜空が
僕らの明日を信じなかった

裏切り歩いた
満たされた朝日で
熱を意味を捨てていく

濡れ出した街に
あなたの輪郭を
淡い指先でなぞる
夜が降り止む前に
×