靡かない

あなたは半分でわたしの全部を
つかもうとした 後の半分はどこに向けたの

頬を伝う涙 誰の為に流したの 泣いて嘆いたのは誰の為に

あなただけが好きなんて言ってはみたけれど
そのあとわたし虚しくなるの 分かってた

あなたの耳元で 晒した「私」がふらり 宙を舞って あなたは靡かない
あなたの声の中 弾んだ心はふらり 宙を舞って あなたは靡かない

わたしは口下手でいつも黙ってしまうの
ほらまた、黙ってしまった

「何でもない」で済ませる わたしは俯いて
そのあとひとり切なくなるの わかってた

あなたの影の中 隠したわたしが
ふらり どこに行くの あなたは靡かない

あなたの下手な笑顔が斜め横を見る仕草が
重なり合って奥を疼き
心を乱し首を絞めていた わかってた

あなたの影の中隠された言葉は
ふらり どこに行くの あなたは靡かない
あなたのすぐ側で晒した言葉は
ふらり 宙を舞って あなたは靡かない
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