慕情

雪の似合う季節が
すぐそばまで来てる
北へ渡る小鳥の群が
旅支度している
愛のさめたあなたは
私に嘘ついて
うわべだけの泪を見せて
遠いところにゆくの

ちいさな悲しみも
分け合ったふたりなのに
思い当たる理由もなく
私のこと嫌うのね

愛 こんなはかないものは
他にないわ

風の中で並木が
肌を見せてならぶ
浮かぶ息の白さが目立つ
木枯らしの匂いよ
愛のさめたあなたは
私の手をほどき
かたちばかり別れを告げて
別の心になるの

いくども淋しさを
乗り越えたふたりなのに
まるで人が変わるように
私のこと避けるのね

愛 こんなはかないものは
他にないわ
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