ボトルメール

遠くで、微かに、聴こえてくるこの音。
誰かが、しっかり、受け止めてくれた音。

真っ白な砂浜に描くように、この世界に生まれれば、
波に乗って遠く遠く広がって、
君のもとに届くボトルメール。

たしかに
一人じゃ、
なかった。
でしょ?

はしゃいで、走った、どこまでも続く道。
見上げた、星空の広がりに、胸躍らせた記憶。

その一つ一つに音が重なって、思い思いに歌えば、
波に乗って遠く遠く広がって、
僕のもとに届くボトルメール。

ほら、今も、耳を、澄ますと、聞こえる。
いつも、どこか、遠くで、誰か、歌う、声が。

湿った午後の匂いに包まれて、感じる寂しさも、
孤独に飲み込まれそうな夜も、
目の前に広がる波のリズムにのせ、
ほらいつだって、聞こえるのさ。

朝焼けに染まる水平線に、君の声響き渡れば、
波に乗って遠く遠く広がって、
僕のもとに届くボトルメール。

たしかに
一人じゃ、
ないんだ。
でしょ?
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