二〇二〇

夢を見ているだけと 思い込んでいたい
“解放”を掲げた悪に 擦り込まれていく
用意されたものとも知らずに

思考を整えられる 記録されていくの
昨日を疑いもせず 飲み込まれていく
用意されたものとも知らずに

「目を閉じて 与えられた娯楽に浸って
いつまでもお眠りなさい
定められた運命に 従う他に道はない
大人しくしていなさい その命惜しい ならば

記憶さえも管理 書き換えられていくさ
夢を見せられている
試された果てに 残るものは何もないのだろう

この身も声も 自分だけのもの
信じられるものを 選んでいくのも
思考を止めることは 解放ではない
明かされる言葉に 揺らがされないで

定められた運命に抗え もう始まっている
構築された秩序に 疑いを忘れるな
入り乱れたここに 留まる必要はない
耳を澄ませ目を凝らし 想像力を絶やすな
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