冬子のブルース

冬子はひたすら 生きたのに
冬子のからだは 冬子をすてた
だれかが操る 運命の糸に
ひかれているとも 知らないで
ああ 冬子は 銀座へきた女

冬子は負けない 女だと
冬子はきかせる 冬子の胸に
ひとりで守った 女の城が
傾く夜更けの ネオン街
ああ 冬子のこころに 雪がふる

冬子はいけない 女だと
冬子の噂が 冬子を包む
曲っていたのは 世の中なのに
唇ひらけば しみる夜風
ああ 冬子は枯葉を 口ずさむ
×