アン

か細い声で 鳴いてたんだよ
道の 端で震えながら
僕等出会った 小雨の降る
少し肌寒い日に

抱き上げてそっと 包み込むと
そのまま 君は眠りに落ちた
名前はなんだい? 教えてくれないから
unknown そうアンと呼ぶよ

君と過ごした 日々は宝物です
やめろと 何度も 言った壁の傷も
大好きだった ネズミのオモチャ
手直しして僕の キーホルダーに

うなされた朝 目覚める時は
大概 僕の上からさ
目を開けるまで ジッと見つめる
お腹が空いた合図だろ

優しく頭を ポンと叩くと
嫌そうに するのに催促する
もし叶うならば 一度だけでいいから
本音 聞いてみたかったんだ

君と過ごした 日々は宝物です
呼んでも 来ないのに 気付くと隣に
寝相が悪く 口を開けてる変な
写真ならまだ財布の 中にあるよ

君と出会って
僕は変わった
守るべきモノの意味を知った
だから寂しいよ
だけど幸せさ
そう僕は君と出会えたんだから

君と過ごした 日々は宝物です
僕等が 出会った 今日は記念日だよ
泣いてる僕を 君が見たならば
ザラついた舌で頬を 舐めるかい

本当に 全てが宝物です
窓から 僕を見て 素っ気ない態度も
大好きだった ご飯を今日は
たくさん作っておくよ

いつでも食べにおいでよ 元気な声で
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