東京

10年前の君に伝えたいこと
ここには何もないし
あるのは孤独だけだよ

10年前の君に伝えたいこと
君の好きだった 星も見えないし
汚れた空気に 嫌気がさすだろ

生活に疲れ果てて
眠って慌てて 目覚める毎日だ
君が描いてた理想とは まるで違うんだ

東京ってなんだろうって 口にしてしまえば
全てが壊れてしまいそうで 怖くて言えないや

東京ってなんだろう
意味を名付けられて 産まれて来たはずなのに
この街で僕は 無意味になってしまいそうだ

10年前の君に伝えたいこと
腐るほどあるけど
どうせいまは 聴く耳持たないだろ

10年前の君に伝えたいこと
そのままでいいって
いつかわかるように

今を生きてる
気が付けば 守りたいものばかり
いまの君じゃ 想像もできないだろ
でも確かなことなんだ

東京ってなんだろうって 弱口叩きながら
逃げなかった 10年前の 君が愛しいんだよ

東京ってなんだろう
答えは何もまだ 出ないままだけど僕は
この街で今を 生きていたいと思うんだ

戻れない過去 雨に濡れた 9号線
会えない顔 思い浮かべた小田急線
吊革握った右手 どうしてだか僕は
あの日の さよならの握手を思い出した

東京ってなんだろうって 10年間 問いかけた
僕はつまらないやつになったかな
大人になったってことにしてよ

東京ってなんだろう
愛おしい景色 甲州街道の先
終点のない道 過去と未来 想う街
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