雪寺

雪寺は 山の懐(ふところ)
閑(しず)やかに 眠る寺
訪れたのは 赤い柿の実
木守(きまも)りひとつ 残る冬

根雪(ねゆき)のような 悲しみに
心凍らせ ただひとり
せめて一日 泣きたくて
ただ胸の内 聞いて欲しくって…

雪寺は おんな心を
愛おしく 包む寺
両の手合わせ 瞼(まぶた)閉じれば
あふれる涙 恋懺悔(こいざんげ)

本当の愛に 気づかずに
あなた恨んで 傷つけた
馬鹿なおんなを さらけ出し
ただ胸の内 詫(わ)びてみたくって…

雪寺は 山の懐
閑やかに 眠る寺
訪れたのは 赤い柿の実
木守りひとつ 残る冬
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