ひだまり

初恋のあの人の 呼吸はピンク色
大人びた化粧姿で ネオンの海になる
ゴミのように 積もる昨日
焼き損なった 傷口だけが
残った

泣き出しそうな空が君を包む
心まで まだ奪わないで
傷の上に芽吹く 花は強く
咲くべきだから

降り頻る 雪のような 棘の降る茨道
傘をさす事も忘れて 追いかけた夢の背中
誰もが追われるように 先を急いでいる
上手に歩けない 君の声は
届かない 何故?

生まれた理由なんて 授業では
教わらなかったけれど
傷の上に咲いた 花の名前を
君は知ってる

消え損なって夜を彷徨ったこと
朝焼けが眩しかったこと
優し過ぎる君の 震えた拳に
突き刺さる爪

臆病に伸ばした手の先で
茜さす ひだまりが待ってる
傷の上に咲いた花はずっと
枯れないから
君は
美しい 一輪の花
×