ウソつき

白く細くやわらかな
壊れてしまいそうな腕を
強く握りしめていた
君が消えてしまわない様に

夜が明けてしまう前に
君は部屋を出て行くだろう
窓越しの月明かりが
眩しくて眠れないのに

君の苦しみも悲しみも
あの日の涙も
僕を騙すためのものならば
充分だね

君はウソつきさ
教えておくれよ
本当の名前を
本当の気持ちを
教えてよ…

僕もウソつきさ
教えてあげるよ
本当はすべてを
知っていたのに

君はウソつきさ
でも帰っておいでよ
もっと僕のこと
騙しておくれよ
愛しい人

君はウソつきさ
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