夏めく夜に

ワンルームの隅に咲いた少しばかりの違和感が
フラッシュバック、鮮やかに
写るので、僕は
バスルーム眠りについた、少し冷えた体温が
生々しかった、いつもより、
濡れた体で僕は体任せ

ただただ流れていく有線ラジオ
君がよく聞いた曲が流れるわ
いつも口ずさむもういらない
記憶を残してくれたわ

街灯がいつもより光って見えたわ、
涙が滲んで淡くなってた
一人で歩く夜の淵、暗がりに潜む影だって
明日には全部忘れてしまうわ、
ハッとして沈みゆく体もがいてみるが、
夜の闇に飲み込まれるわ、
滲んだ風景とともに洗い流す心の中だって、重なる日々の泡は、

缶ジュース少し余った
シンクに流す作業は儚さそのもので
悪い記憶を思い出していくように

カラカラになった喉を潤すには
何がいる、そんなことも分からずに
足にしがみつく子供のように全てを投げ出したかった

街灯が光ったり消えたりしながら、
最後の時を待ちわびてるわ。
二人歩いたあの道、頭に染み付いたアザだって
そのうち思い出に変わってしまうわ
ハッとして目が覚めた深夜2時あたり、
君は何の夢を見てるかな
暗い部屋には僕一人
寝ぼけ眼の奥の方に君が見えた気がしたのさ。
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