ふるさとは屋敷町

梅・桃・桜 春は咲き
落葉が泣かす 秋の里
帰って来たと 叫んでも
迎えてくれる母もない
白壁染めるタ陽 さびしい屋敷町

木立の風を ふるわせて
こころにしみる 祭り笛
別れに泣いたあの人も
嫁いで母に なったとか
耳をすませば 噂かなしい屋敷町

故郷の月に ひとり酌む
地酒の熱い 酔いごこち
今さらなにを 偲んでも
幼い日々は 返らない
男の胸に 涙しぐれる屋敷町
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