ちぎれ雲

雪どけの風に追われて
ちぎれ雲 泣いているのか
うらみさえ言わないで 遠ざかる君の背に
北国の花の便りが
とどくのは とどくのは
いつの日のこと

俺だけが ささえなんだと
ふるえてた細い肩先
あの人の幸せを 祈るのか ちぎれ雲
むらさきの影をおとして
別れ行く 別れ行く
ふたりを抱いた

噂さえ今はとだえて
矢車の花も咲く頃
旅を行くちぎれ雲 お前なら分かるだろ
男ごころの切なさ
あの人に あの人に
とどけておくれ
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