一寸の赤

ずっと変わらない日々の中でそっと揺れるもの
いつも支えられていたその笑顔に
嘘のない真っ直ぐな瞳に
やさしい声に

ああ気付けなかった
いつでも側に居たからかな
意地張ったりしないで正しい距離で
そう冷静に君をもっと知りたいんだ
ああ見上げた空は余りに鮮やかな赤
走り出した 声の鳴る方へ

ずっと変わらないよと根拠なしでも言い切って
イエス/ノーだけじゃ心許ない
その笑顔と嘘のない真っ直ぐな瞳と
やさしい声でちゃんと言って

会えない時間でまた強くなれる?
許されるならこのまま少し
君の髪が赤く染まる間
ここで眠っていたい

――ああ気付けなかった
一緒によく帰った道
こんなに何もない寂しい景色だっけ
すべてが君で輝いていたんだ
ああ横目で見た余りに鮮やかな赤
背筋伸ばしたら 新しい明日へ
×