倭国無情、春らんまん

心まで移りゆく よしなしごとさえ
そこはかと 人色づき つれづれ 流れる恋よ
瞬(とき)の間のうつつさえ しのぶ想いこそ
儚き夢 混さらざって つれづれ 流れる涙

倭国無常 いとうれし
避(よ)きて過ぎ去る季節が
人に焦がれて靡き揺れた

花、咲きほこる春になれ
我が想いと共に―――
うららかに風もそよげ
我が心に届け―――

つれなしとここら世を 見る憂身(うきみ)さえ
やがて晴れて 透む何処(いずこ)へ つれづれ 流れる恋よ
昨日より遠くなど 忘れてしまえば
総て今日ぞ 時ありける つれづれ 流れる涙

倭国無常 いとかなし
避きて過ぎ去る季節に
恋が熟れて生まれ落ちた

花も濡れる春になれ
我が想いと共に―――
うららかな陽射し浴びて
我が心に届け―――

花、咲きほこる春になれ
我が想いと共に―――
×