夏が行くよ

夏が行くよ 風を揺らし
高波がシャツを濡らす桟橋の上

夏が行くよ 僕だけ置いて
想い出の酷(むご)さは優しすぎることさ

幸福(しあわせ)だった頃の二人が
今でも笑いながら
夕焼けの下 歩いてゆくよ
引き潮を聴きながら

誰と眠る夜も君を想い出すだろう
誰にめぐり逢っても僕は夏の脱け殻さ

波打ち際がまた遠ざかる さよなら 君がいた夏

指環の跡の白さが痛い
瞳に刺さるようさ
あの日の誓い叶えられずに悲しいよ
悲しいよ

誰と眠る夜も君を忘れられないよ
誰に愛されても君も真実の君じゃない

弱さも気高さも愛してた さよなら 君がいた夏

夏が行くよ
夏が行くよ
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