水硝子

落ちた涙 狂ったままの針
手操る
胸よじれて逆さの空へ
体溶けて水硝子のよう
ほら
君の声でこじれてしまった?

揺れる鼓動、また誰かが幕下ろす?
なんてもう結構!
駆け出す

頬の赤らみと溶けて あなたの隙間に
流れてゆくの 魔法じゃないよ
目を逸らして
いる間に落ちて
新しい季節を使い切ってこの世の外れで
膝を抱えたままの
あなたとぎゅっと硝子になるの

あからさまに夜 記憶はどろどろ
鳴り止まない、甘ったるい声
針の音の上を高く飛べるなら繰り返して

凍てつく夏の日
肩越しの空が
何度も壊れながら
酷く青いまま

夜のその闇に溶けて
あなたの隙間に
流れていくの魔法じゃないよ
目をそらしている間に僕は

新しい季節を使い切って
この世の外れで膝を抱えたままの
あなたの手をやっと掴んで
あなたとぎゅっと硝子になるの!
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