John Doe

体の何処で相手を感じたいか。
それによって抱き方が変わるんだろうな。

心を選ぶ夜は悪戯に引っ掻いて確かめてみる。
ちゃんと此処に居るか、存在しているのか。
強く僕の名前を呼んで欲しい。

「崩れ落ちて、崩れ落ちて、跡形も無くなればいいのにな」
そんな事を思っていた身元不明の僕を変えた。
触れもしない、形すら無い愛をどうしたら伝えられるのか。
君は声を通して届けてくれた。

「ある意味“利用”?」
否定したくてたまらない。
もっと深いトコで僕たちは溺れてるんだ。

自分が何者かは誰かが居なきゃ知れもしないから。
一緒に居てくれるかい?
迷子にならないように僕の名前を呼び続けて欲しい。

「崩れ落ちて、崩れ落ちて、跡形も無くなればいいのにな」
そんな事を思っていた身元不明の僕を変えた。
その代わりに、君が居なきゃダメな脳にも作り変えられた。
ヒトは幸福なりに苦しむんだな。

「生きてみて良かった」って思える日が来ますように。
僕は僕なりに何かしてやりたい。
貰うばかりじゃカッコがつかない。

「崩れ落ちて、崩れ落ちて、跡形も無くなればいいのにな」
そんな事を書いていた身元不明の悲しい詩。
行き先の無い、形すら無い愛をどうしたら伝えられるのか。
僕は声を通して音に乗せた。

届いてるかな?
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