マチルダ

月のない夜 瞬く星たち
彷徨う魂を導いてくれ
遥か彼方に灯された光
流離う旅人を慰めてくれ

温かなスープと柔らかな毛布と
天国のように心地のよい褥
ささやかな眠りと束の間の癒しを
惜しみなく与えた女神のような人

もうどれくらい揺られて来たのだろう
振り返れば闇に消える轍
あとどれくらいで辿り着けるのだろう
目の前には果てしなく続く荒地

屋根裏の窓辺で真夜中のギターが
咽び泣くように奏でたあの調べ
何気ない仕草も飾らない笑顔も
尽く奪った悪魔のような街

温かなスープと柔らかな毛布と
天国のように心地のよい褥
ささやかな眠りと束の間の癒しを
惜しみなく与えた女神のような人

路地裏の廃墟の安宿の主人が
吐き捨てるように呟くあの言葉
あどけない体も汚れなき心も
携えたままで咲き誇る白い花
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