pinky swear

透明な言の葉、一枚 曇天の空へ飛ばした
考えたって仕方ない 君の言葉
あの日から僕の奥に現れた雨雲の中
抜け殻みたいな身体 眠ることも出来ずに

まっさらな瞳に一人、僕だけが映りたかった
泣き顔さえも画になる 君に焦がれていた
雷鳴が遠くで響く 懐かしい香りの中
夢のような日々が恋しかった

君が待った言葉なんて分からないよって
いつも隣で僕は誤魔化した
陽だまりの中でこのままを願いながら
小さな指の熱と熱を重ねた

季節は巡り巡って
最後のフラッシュと共に消えた
声にもならないような「ごめんね」を覚えている
それはまるで夏の刹那 寂しさを残したまま
花びらが一枚、僕の頬をかすめた
抱きしめて、離さないで、ここにいてよ
一つも言葉にならぬまま 枯れた

蹴っ飛ばした缶ジュースで、新品の靴が汚れた
やり場のない怒りをまた 空き缶にぶつけた
凹んだそいつに夢中で、空の顔色に気付かず
降られた秋雨が酷く冷たかった

君を想った後悔なんて数え切れなくて
痛みを問わない喜びに浸っていたかった
「帰りたい」その場所すら戻らないまま
いつまでも雨に打たれ、君を探していた

奇跡じゃあ、在り来たり過ぎて
いつしか忘れることに怯えた
形に残せやしなかった 君を追いかけている
果ては夏の獣 温もりに飢えたまま
飼いならせない哀しみ 胸の奥に抑えつけた

季節が巡り巡っても
最後のフラッシュと共に残った
「またね」
終わらない夜の隙間
喜びを帯びたまま
「いかないで」

奇跡じゃあ、在り来たり過ぎて
いつしか忘れることも忘れた
言葉に変えられなかった時に彷徨ってる
君に雨宿り 思い出に縋ったまま
花びらが 一枚 僕の頬を濡らした
抱きしめて、離さないで、ここにいるよ
声にならない この言葉が空に舞う
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