深き追憶の残火

義理を跨ぎ 行き過ぎる人
よどみのない恋 夢想なり
炎を纏う蕾は 咲く時を伺う

瞳閉じたまま 響かす情歌
今宵の空 あの日に似た 風薫る

茜杯に落ちた涙は 熱情の夜に揺らめいて
遠くの月が盗む心は 手にした刹那 燃え尽きて
誇らしげに 灯す兆しは 夏を終わらせただけ

槌を鳴らし 罪に裁きを
友は黙り 無力に泣き
それすら囀る糧と 値踏みする諸人

消え落ちる火花 地を這う情歌
戻りはしない 君を手繰る糸探す

赤い月に賭した命は 激動の世に さらわれて
遠くの君が盗む心に 縛られるなら それでいい
いまだ熱を帯びた慕情は 哀を突きつけただけ

夏草 白肌 染める紅 伸びたふたつの影
いつまでも 繋いでた指と 夢を置き去りに

茜杯に落ちた涙は 熱情の夜に揺らめいて
遠くの月が盗む心は 手にした刹那 燃え尽きて
誇らしげに 灯す兆しは 夏を終わらせただけ

穏やかな風がまた 儚さを歌えば
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