最後の言葉

どれだけ悔やんでも
もうあかの他人なんだね
強く抱きしめても
戻りはしないんだよ

春の冷たい日に
物語を始めたんだ
夏の終わる頃は
写真も増えたのに

ねえもう泣かないでもう責めないで
嘘だってもう一度笑いかけて
何度も願ってもうつむく涙は
とめどなく溢れてくるだけ

秋の夕暮れに
初めて手紙を書いたよ
雪の降る都会も
ちっとも寒くはなかったよ

ねえもう泣かないでもう責めないで
夢だってやさしく肩を抱いて
何度問いかけてもこぼれた言葉は
くり返すただ一言だけ

どれだけ悔やんでも
もうあかの他人なんだね
強く抱きしめても
戻りはしないんだよ

ありがとうすらも言えなくて
受け止めることも出来なくて
絶対に終わらないものが
あると思ってたのに

ねえもう行かないでもう行かないで
嘘だってもう一度笑いかけて
何度も願ってもうつむく背中は
遠く遠く滲んでゆくだけ

何度問いかけてもこぼれた言葉は
「ごめんね 。」のただひとことだけ
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