陽炎のメモリー

かれこれ 何時間だ
縁日で 君を見てから
飴細工で お茶を濁す
浴衣なんて 聞いてないぜ ベイベ

喧騒が 面倒だ どっか 抜け出そう

笑った 君を 独り占めに したいけど
今 一歩 踏み出せば 変わってしまうから
これっぽっちの 恥ずかしさ さえ 拭ったら

鳥の様に 風の様に 舞って
二人揃って 飛び立とうぜ ベイベ

なんて ふざけた奴だ
君に 近づくなんて
陽炎 揺れた 道を冷やす
気化していった 水みたいな 感情

遠巻きで 満足な 僕は 腰抜け

笑った 君を 独り占めに したいなら
泣いてた 思い出ごと 包めなきゃな
一匙の 恥で 動けない 僕は

怖気付いた グズみたいな 根性
この上なく 情けないぜ ベイベ

嗚呼…

潤んだ あの日の 目を拭った 誰かが
今 君の隣に いるんだろうな
一匙の 優しさでさえ あげず終いさ

笑った 君の顔が 愛し過ぎて
また 10年と 20年と 経ってしまったんだ

想いが 溢れ 到底 色褪せない まんまで
終わり告げる 笛の音が 鳴って
祭囃子 とっくのとうに 去った

今も ずっと 焦がれているんだ
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