別れの一本杉

泣けた 泣けた
こらえきれずに 泣けたっけ
あの娘(こ)と別れた 哀(かな)しさに
山のかけすも 啼(な)いていた
一本杉の
石の地蔵さんのよ 村はずれ

遠い 遠い
想い出しても 遠い空
必ず東京へ ついたなら
便りおくれと 云った娘(ひと)
りんごのような
赤い頬っぺたのよ あの泪

呼んで 呼んで
そっと月夜にゃ 呼んでみた
嫁にも行かずに この俺の
帰りひたすら 待っている
あの娘(こ)はいくつ
とうに二十(はたち)はヨー 過ぎたろに
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