秒針に振れて

すぐにわかったんだ
僕のじゃない時計をしてるのも
何を言おうとしているのかも
響く秒針が
終わりまでを急かすみたいに
どうにもならないと僕に言う

「あなたは悪くない」って言う
君の優しさも辛くて

“ありがとう”も“ごめん”も要らない
どうせなら恨むほど僕を責めて
消えてくれてたなら
君の風に靡く匂いも
怒った顔も眠る君も全部
忘れられるのに

君と揃えた物全てが
目に映る度に 記憶を集めて
情けないよな
捨てることさえ出来ないまま
6畳半の中 君の欠片を
散りばめて

あの時 どうして君は…

時が経っても胸が痛むのは
別れじゃなくていつまでも消えない
思い出のせいだ

ふとした瞬間によぎる
場面は君に紅に染まる横顔

“ありがとう”も“ごめん”も要らない
どうせなら恨むほど僕を責めて
消えてくれてたなら
君の風に靡く匂いも
怒った顔も眠る君も全部
忘れられるのに
壊れた針は動かないままで
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